クラウド会計ソフトのススメ
日々の経理業務とひと口に言っても、やり方は会社によって異なります。
・経費領収書や会計資料を顧問会計事務所へ渡し、
すべての経理業務を委託する
・Excelで会社独自の帳票を作成し処理する
・インストール型の会計ソフトを利用する
・クラウド型の会計ソフトを利用する
この4パターンのうちのいずれかを採用している会社が多いと思います。
「経理業務の効率化」を考えたときに、「クラウド型会計ソフト」を選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか?というお話しを、私の長年の経理業務経験を踏まえて書いてみようと思います。
何故、「経理業務の効率化」が必要なのか?
会社が「業務効率化」を考えるとき、まずは、営業部門から着手され、どうも経理業務というのは後回しにされがちです。しかし、会社の状況をリアルタイムで把握し、早期に対策を立てるのにも、経理業務というのは「早く、正確に」が求められる重要な業務なのです。
会計事務所に経理業務を委託するメリット・デメリット
まず、会計事務所にすべての経費領収書、帳票や資料を渡して経理業務を委託している場合、
・人材不足の中、高スキルの経理担当者を募集する時間とコストが削減できる
・経理処理が正確に行われる
などのメリットがありますが、逆に
・経理処理にタイムラグが生じる為、リアルタイムに財務状況を把握できない
・月次資料がなかなか手元に来ない=経営判断が遅れる恐れがある
といったデメリットもあります。
コスト面で言えば、外部に委託しても相応のコストがかかることから、やはり経理業務は自社で行い、リアルタイムで業績を把握し、経営の素早い意思決定に生かすことを、お勧めしたいです。
Excelでの経理業務のメリット・デメリット
では、経理業務を自社で行う場合、どのツールを使用するか・・・?悩むところです。
まず、ツールの1つとして「Excelソフトを使う場合」を考えてみましょう。
・Excelは一般的なPCにあらかじめ導入されているので、経理業務の為の追加コストがかからない
・経理担当者がマクロや関数を使って、会社のルールや作業のやりやすさを考慮したフォームを
作り、作業ができる
・PCの買い替え時に、新たに経理ソフトの再インストールをする必要がない
・部内外でデータやフォームを共有できる
このようなメリットがあります。しかし、その反面
・入力ミスが速やかに発見されづらい
・マクロや関数の設定をひとつ間違えただけで、正確な業績が出ず、場合によっては経営判断に
誤りが生じる恐れがある
・経理担当者が入れ替わる場合、後任担当者にマクロや関数のスキルが無いと、引継ぎに時間が
かかる
・会計ルールや法改正があった場合、相応の知識の習得とフォームを更新または作り直す必要が
生じる
これらのことから、「正確さ」と「業務効率」を求めるのであれば、Excelでの経理業務は果たして正しいのか疑問が残ります。
会計ソフトのメリット・デメリット
別のツールとして、多くの会社で取り入れられているのが「インストール型の会計ソフト」です。
・ソフトにより契約内容に差があるものの、導入コストや運用コストがかかる
・自社仕様に設定する必要がある
・操作に慣れないと入力に時間がかかる
などのデメリットはありますが
・一度設定してしまえば、クリックひとつでリアルタイムに必要な情報を得られる
・消費税率変更など、法改正があった場合でもソフト側が対応してくれる
・Excelのようなマクロや関数設定ミスによるリスクがない
・日々の入力作業だけで、固定資産管理や決算処理も可能
・顧問税理士側で同じソフトを使用していれば、データのやり取りがオンラインで可能
など、正確さと効率を考えれば、会計ソフトの利用は一考の価値があります。
また、大きな利点の一つとして、電子帳簿保存法の要件を満たせば、経理業務のペーパーレス化が可能になる為、紙・保存場所・廃棄コストの削減にも繋がります。
クラウド型会計ソフトのメリット・デメリット
もう一つ、会計ソフトを「クラウド型」にした場合、コスト面や作業面のメリット・デメリットは「インストール型」と変わりはありませんが、更なるメリットとして
・データはクラウドに保存されるので、盗難、災害、故障によるデータ消失のリスクがほぼない
・PC買い替え時の、面倒な再インストール作業やデータの引っ越し作業が不要
・経営層もIDとPWでデータ閲覧が可能になるため、時を選ばず、経理担当者を呼び出すこと
なく、業績の把握ができ、速やかな経営判断ができる
・顧問税理士側に同じソフトが入っていなくても、IDとPWでデータの確認や指導を受けられる
などが挙げられます。また、前述したように経理業務をペーパーレス化にした場合、(ソフトにもよりますが一例として)各従業員は経費領収書をスマホで撮影し、会計ソフト上で経費申請する為、承認者や経理担当者はオフィスに居なくても経費精算処理ができます。当然、経費精算期間は短縮されますし、領収書や入力情報に不備がある場合はソフトに申請できない為、不備による担当者間の差し戻しが不要となり、経費精算だけ見てもかなりの作業効率化が望めます。また、以前は不可能と思われていた経理担当者のテレワークさえ可能になります。
実際に使ってみて・・・
実際に私がクラウド型会計ソフトを使用して感じたのは、そもそも会計ソフトは、会計スキルがさほど無くても経理業務ができる(勘定科目を知らなくても仕訳ができる)という利点がある一方で、例えば、仕訳の際に経費の利用目的から勘定科目を選択させる等、操作が懇切丁寧すぎて、ある程度のスキルを持つ人が操作する場合、煩わしさも感じます。(そのような方用の入力画面もあります)
とはいえ、オフィスに縛られることなく作業できるというのは、働き方の選択肢を広げる上で大変有意義なものであると感じざるを得ません。
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